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過去の事件と判例

 弾劾裁判所では、罷免訴追事件を9件、資格回復裁判請求事件を7件判断しています。
 
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罷免訴追事件
昭和23年(訴)第1号
昭和23年(訴)第2号
昭和30年(訴)第1号
昭和32年(訴)第1号
昭和52年(訴)第1号
昭和56年(訴)第1号
平成13年(訴)第1号
平成20年(訴)第1号
平成24年(訴)第1号
資格回復裁判請求事件
昭和31年(回)第1号
昭和33年(回)第1号
昭和33年(回)第2号
昭和37年(回)第1号
昭和59年(回)第1号
昭和61年(回)第1号
平成28年(回)第1号

 

1 罷免訴追事件

・昭和23年(訴)第1号

被訴追者 静岡地方裁判所浜松支部判事
訴追提起 昭和23年7月1日
判決宣告 昭和23年11月27日
訴追の事由
(1)懇意の弁護士から商用等のため旅行する際の協力を依頼され、一緒に旅行したが、欠勤に必要な手続を取らず、約1週間無断欠勤した。
(2)弁護士らの商談成立に尽力し、勤務先裁判所等において自己の名義で商用電報の発受を行なう等、自ら商取引の本人同様の振る舞いをした上、商談が破棄されると翻意を促す等のために関係者と種々の折衝をした。さらに、取引の対象となったするめが、重要物資輸送規則違反の物資として警察に摘発されたことを知ると、所轄の警察署に出向き、摘発の事情を聴取するとともに、警察署長らに対し不問にするよう迫った。
弾劾裁判所の判断
不罷免:
 (1)については、実質的手続がされたことは、一応認められるが、形式的には無断欠勤である。しかし、欠勤中不時の緊急事務もなく、予定されていた公判は、てん補裁判官により支障なく行なわれたのであるから、弾劾法2条1号には該当しない。
 (2)については、当初は商取引に直接介入せず紹介の労を執ったのみで、具体的に取引の主体となったことも、自己の名義で商用電報を発受するという具体的合意もなかったこと、勤務先裁判所内で商用電報を自ら取り交わしたのは1通だけで、それ以外は事前の了承なく自己の名義を利用されたものであること、商取引への深入りは、裁判官としての立場上、正規のルートに乗せなければならないという主観的善意からであること、利益供与の事実が認められないことからすると、裁判官として明らかに品位を辱める行状であるが、行為の大半は一社会人としての行為であって、この程度では同条2号の威信を著しく失うべき非行とは認められない。
 

・昭和23年(訴)第2号

被訴追者 大月簡易裁判所判事
訴追提起 昭和23年12月9日
判決宣告 昭和25年2月3日
訴追の事由
(1)知人が闇販売目的で相当多量の繊維製品を保有しているという疑いで家宅捜索を受けることを探知し、事前にその妻に対して家宅捜索も行なわれるであろうから織物類でもあれば他に隠した方がよいと告げ、押収の目的物を持ち出させた。
(2)知人の知り合いが受けた略式命令の処置について、知人から相談を受けた際、正式裁判の申立てをしておくようにと教え、既に他の裁判官の担当になっていた事件を、交渉して自己の担当に振り替えさせた。また、その公判において職権で取り調べた証人が偽証したことが判明したが、この証人に偽証を教唆(読み。きょうさ)した疑いがある。
弾劾裁判所の判断
不罷免:
 (1)については、知人の妻に家宅捜索があるかもしれないと告げたことは明らかであるが、隠した方がよいと言った事実は認められない。犯罪捜索上の機密を探査し、妨げになる発言をした責任は軽くないが、偶発的な出来事であり、また、知人と親密な間柄であること等を考慮すると、留置の事実を告げ、家宅捜索に備えようとする知人の妻の行動を阻止しなかったことは、甚だ遺憾ではあるが、やむを得なかった。
 (2)については、偽証教唆の事実は認められないが、あたかも知人の知り合いのために有利な裁判をしてやるため種々画策したと世間が疑惑を抱くおそれがないわけではない。しかし、重大な事項とは認めがたい。
 よって、いずれも弾劾法2条各号には該当しない。
 

・昭和30年(訴)第1号

被訴追者 帯広簡易裁判所判事
訴追提起 昭和30年8月30日
判決宣告 昭和31年4月6日
訴追の事由
(1)事件記録の不整頓等を放置し、395件の略式命令請求事件を失効させ、そのうちの約3分の2について検察官に再起訴を断念させた。
(2)あらかじめ署名押印した白紙令状用紙を職員に預けていたため、職員が白紙令状用紙に所要事項を記入して令状を作成交付した。また、相当な数の白紙令状用紙が庁外に持ち出された。
(3)知人から、仲介者に売却代金を横領されて困っているとの相談を受け、仲介者を裁判所に呼び出して返済を促す等、私人間の紛争に介入した。さらに、仲介者に対する逮捕状を請求されると、自ら逮捕状を発した。
(4)略式命令を送達する際、要件について検討することなく勾引状を発し、自ら執行した。さらに、執行済の勾引状を記録に綴じさせなかったため、職員によって破棄された。
(5)廷吏に調停事件を取り扱わせた。また、長期間にわたって出勤簿に押印せず、転勤に際して一度に行ない、職員の長期間にわたる不押印も放置していた。
  
弾劾裁判所の判断
罷免:
 訴追事由(1)から(5)の事実を認定し、
 (1)、(2)、(4)については、裁判事務、司法行政事務監督に関する職務上の義務に著しく違反し、又は職務を甚だしく怠ったものである。
 (3)については、利益供与の約束等不純な動機や行為がなかったことは認められるが、裁判所の公正を疑わさせる結果を招くものであり、裁判官としての威信を著しく失うべき非行である。
 (5)については、いまだ職務を甚だしく怠り、又は職務上の義務に著しく違反したものとは認められない。
 よって、(1)、(2)、(4)の各事実は弾劾法2条1号に、(3)の事実は同条2号にそれぞれ該当する。
資格回復裁判請求事件 昭和31年(回)第1号
 

・昭和32年(訴)第1号

被訴追者 厚木簡易裁判所判事
訴追提起 昭和32年7月15日
判決宣告 昭和32年9月30日
訴追の事由
(1)現地調停の帰路、相手方を除く関係者とともに申立人所有のオート三輪車に便乗して旅館に戻り、申立人から酒食の饗応を受けた。
(2)前記事実について地方裁判所長に投書した者があることを知ると、相手方の親戚である調停委員に清酒1升を持参して相手方への善処を依頼した。また、宴席の費用を全額申立人の支払いに任せて2年以上経過していたが、訴追委員会の調査を受けた翌日、病気入院中の申立人を訪ね、自己と2名の調停委員分として2400円を急きょ支払った。
弾劾裁判所の判断
罷免:
 訴追事由(1)と(2)の事実を認定し、
 (1)については、裁判の公正、司法の権威を疑わさせる行為で、裁判官としての威信を失うべき行為である。
 (2)については、自己の非行を隠ぺいしようと種々奔走しようとしたことは裁判官の態度としては遺憾であり、裁判官としての威信を失うべき非行である。
 よって(1)と(2)の事実はいずれも弾劾法2条2号に該当する。
資格回復裁判請求事件 昭和33年(回)第1号
資格回復裁判請求事件 昭和33年(回)第2号
資格回復裁判請求事件 昭和37年(回)第1号
 

・昭和52年(訴)第1号

被訴追者 京都地方裁判所判事補  京都簡易裁判所判事
訴追提起 昭和52年2月2日
判決宣告 昭和52年3月23日
訴追の事由
 検事総長の名をかたり現職内閣総理大臣に電話をかけ、前内閣総理大臣の関係する汚職事件に関して虚偽の捜査状況を報告した上、前内閣総理大臣らの起訴並びに逮捕の取り扱いについて直接の裁断を仰ぎたいと告げ、裁断の言質を引き出そうと種々の問答を行ない、これを録音した者があった。
 被訴追者は、その録音テープが、検事総長の名をかたった謀略によるにせ電話の内容であること、電話の内容が新聞で報道されれば政治的に大きな影響を与えることを認識しながら、録音テープを新聞記者に聞かせた。
弾劾裁判所の判断
罷免:
 訴追事由の事実を認定し、政治的策動にかかわったもので、単に道徳的に非難されるべきものにとどまらず、余りにも深く政治の問題に関与したというべきで、国民の信頼に背き、甚だしく裁判官としての威信を失墜させた行為で、弾劾法2条2号に該当する。
資格回復裁判請求事件 昭和59年(回)第1号
 

・昭和56年(訴)第1号

被訴追者 東京地方裁判所判事補  東京簡易裁判所判事
訴追提起 昭和56年5月27日
判決宣告 昭和56年11月6日
訴追の事由
 担当する破産事件の破産管財人からゴルフクラブ2本、ゴルフ道具1セット、キャディバッグ1個と背広2着の供与を受けた。
弾劾裁判所の判断
罷免:
 訴追事由の事実を認定し、刑法197条1項の収賄罪に該当する疑いも消しがたく、職務上の義務に著しく違反するにとどまらず、倫理的にも許されない行為であって、国民の信頼に背き裁判官としての威信を甚だしく失墜したもので、弾劾法2条各号に該当する。
資格回復裁判請求事件 昭和61年(回)第1号
 

・平成13年(訴)第1号

被訴追者 東京地方裁判所判事  東京簡易裁判所判事(東京高等裁判所判事職務代行)
訴追提起 平成13年8月9日
判決宣告 平成13年11月28日
訴追の事由
 現金の供与を約束して、ホテルなどで3人の少女に児童買春(じどうかいしゅん)をした。
弾劾裁判所の判断
罷免:
 訴追事由の事実を認定し、在任中に禁錮以上の刑が確定しても、弾劾裁判を経るまでは当然には失官しないとした上で、国民が裁判官に期待する良心が一片でもあれば到底行なえないような行為を重ね、国民の司法に対する信頼は限りなく揺らいだ。失われた司法の信頼を回復するには、弾劾により罷免するほかなく、弾劾法2条2号に該当する。
 

・平成20年(訴)第1号

被訴追者 宇都宮地方裁判所判事  宇都宮簡易裁判所判事
訴追提起 平成20年9月9日
判決宣告 平成20年12月24日
訴追の事由
 裁判所職員の女性に対し、その行動を監視していると思わせたり、名誉や性的羞恥心を害したりするような内容のメールを繰り返し送信し、ストーカー行為をした。
弾劾裁判所の判断
罷免:
 訴追事由の事実を認定し、平成13年(訴)第1号事件判決と同様、在任中に禁錮以上の刑が確定しても、弾劾裁判を経るまでは失官しないとした上で、被害女性の人権を踏みにじる卑劣な行為で、裁判官としての良心や品位はみじんも感じられず、国民の信頼に対する背反以外の何物でもなく、国民の司法に対する信頼は大きく揺らいだなどとして、弾劾法2条2号に該当すると判断した。
資格回復裁判請求事件 平成28年(回)第1号
 

・平成24年(訴)第1号

被訴追者 大阪地方裁判所判事補
訴追提起 平成24年11月13日
判決宣告 平成25年4月10日
訴追の事由
 走行中の電車内において、乗客の女性に対し、携帯電話機を用いて、そのスカート内の下着を動画撮影する方法により盗撮した。
弾劾裁判所の判断
罷免:
 訴追事由の事実を認定し、このような行為は、女性の性的羞恥心を著しく害する悪質かつ卑劣な行為であり、被訴追者には、裁判官として有するべき人権意識、特に女性の人権を尊重しようとする意識が欠如していると言わざるを得ず、国民が裁判官に寄せる尊敬と信頼に対する背反行為に該当するなどとして、弾劾法2条2号にあたるとした。
 

2 資格回復裁判請求事件

・昭和31年(回)第1号

請求者 元帯広簡易裁判所判事
請求日 昭和31年5月15日
決定日 昭和31年7月11日
請求の事由
 罷免の裁判において、
(1)これまで職務に精励してきたことや多くの嘆願書など、自分に有利な情状が十分に考慮されなかったこと、
(2)事実の真相が十分に究明されなかったこと、
(3)罷免により収入が絶え、再就職も困難で生活に困窮していること
 を理由として請求。
弾劾裁判所の判断
請求棄却:(書面審理)
 (1)については、弾劾裁判には刑事裁判の執行猶予に相当する制度はなく、罷免の事由に関連する情状以外の情状は考慮されない、
 (2)については、審理は十分尽くされている、
 (3)については、資格回復の裁判をすることを相当とする事由にあたらないとした。
罷免訴追事件 昭和30年(訴)第1号
 

・昭和33年(回)第1号

請求者 元厚木簡易裁判所判事
請求日 昭和33年3月15日
決定日 昭和33年3月25日
請求の事由
(1)請求者は、罷免の訴追を受ける前に退官願いを提出していたのに、これが最高裁判所に届けられないまま放置されたために依願退官ができず、その結果、罷免の訴追を受けることになったこと、
(2)罷免の結果、職を失い路頭に迷っていること
 を理由として請求。
弾劾裁判所の判断
請求棄却:(書面審理)
 (1)については、罷免の事由と関連しない情状であり、弾劾裁判において考慮することはできない、
 (2)については、資格回復の裁判をすることを相当とする事由にあたらないとした。
罷免訴追事件 昭和32年(訴)第1号
 

・昭和33年(回)第2号

請求者 元厚木簡易裁判所判事
請求日 昭和33年10月21日
決定日 昭和34年2月10日
請求の事由
 罷免の判決は、事実認定を著しく誤っており、真相を証明する新たな証拠があるとして、請求者自身の供述調書などの証拠を添えて請求。
弾劾裁判所の判断
請求棄却:(書面審理)
 請求者が提出した証拠は、いずれも罷免の事由がないことの明確な証拠にはあたらないし、その他資格回復を認める事情もないとした。
罷免訴追事件 昭和32年(訴)第1号
 

・昭和37年(回)第1号

請求者 元厚木簡易裁判所判事
請求日 昭和37年10月9日
決定日 昭和38年2月4日
請求の事由
 罷免の判決から5年を経過し、その間、謹慎し、刑罰その他の社会的非難を受けることもなく、厳粛な生活をしてきたこと、資格が回復されたときは余命を弁護士として人権擁護、社会奉仕に捧げたいことを理由として請求。
弾劾裁判所の判断
資格回復:(証人2名、請求者尋問など)
 罷免の裁判から5年を経過しており、請求者が今後再び、かつて弾劾されたような過ちを犯すことはないであろうと推認でき、相当とする事由があるとした。
罷免訴追事件 昭和32年(訴)第1号
 

・昭和59年(回)第1号

請求者 元京都地方裁判所判事補  京都簡易裁判所判事
請求日 昭和59年10月17日
決定日 昭和60年5月9日
請求の事由
 罷免事由について十分反省し、罷免後8年にわたり真面目に生活し再起に励んでいること、社会的制裁を十分に受けたことなどを理由として請求。
弾劾裁判所の判断
資格回復:(証人2名、請求者尋問など)
 罷免の裁判から5年を経過しており、請求者が留学するなどして法学の勉強を続け、法律家としての再起を望んでいること、他に適当な生計の道もないこと、罷免された後、非行のないことなどが認定でき、相当とする事由があるとした。
罷免訴追事件 昭和52年(訴)第1号
 

・昭和61年(回)第1号

請求者 元東京地方裁判所判事補  東京簡易裁判所判事
請求日 昭和61年11月8日
決定日 昭和61年12月25日
請求の事由
 罷免の判決から5年を経過し、その間、法律事務所の嘱託として誠実に勤務し、自省、謹慎の生活を送り、破産法の判例研究書を著すなど研さんも積んできたことを理由として請求。
弾劾裁判所の判断
資格回復:(書面審理)
 罷免の裁判から5年を経過しており、請求者の主張する事実が認定でき、相当とする事由があるとした。
罷免訴追事件 昭和56年(訴)第1号
 

・平成28年(回)第1号

請求者 元宇都宮地方裁判所判事兼宇都宮簡易裁判所判事
請求日 平成28年4月8日
決定日 平成28年5月17日
請求の事由
 罷免後7年以上真面目に生活し、その間、真摯に反省した結果、残された人生を社会的弱者を支援する弁護士として社会貢献していきたいことを理由として請求。
弾劾裁判所の判断
資格回復:(書面審理及び請求者尋問)
 罷免の裁判から7年以上を経過しており、その間、自己の過ちを深く反省し、法的素養と経験を生かしつつ弁護士として社会に貢献していきたいという確固たる意志を有するに至ったことなどから、人格の改善が認められ、相当とする事由があるとした。
罷免訴追事件 平成20年(訴)第1号
 
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